根管治療後に痛みがあるけど、大丈夫なの?
投稿日:2026年10月2日
カテゴリ:スタッフブログ
根管治療は終わりと言われたのに噛んだりすると歯が痛んだり、根管治療中はなんともなかったのに治療が完了してからズキズキし始めたりと、根管治療をた後、このような不安を感じる方は少なくありません。
今回は、根管治療完了後に痛みが出る主な原因や、注意したい症状、さらに治療後の過ごし方についてお話しようと思います。

根管治療後に痛みが出ることはある?
根管治療を受けた直後に、歯が痛んだり違和感を覚えたりすることはあります。
これは根管治療によって歯の内部を処置することによる歯の根の先にある組織が一時的な刺激を受けたり、もともとあった炎症反応が治療によって反応的に強まることが関係しています。
そのため、「治療したのに痛い=治療が失敗した」とは限りません。一方で、痛みが長期間続く場合や、時間が経つにつれて強くなる場合には、別の原因が隠れている可能性もあります。
根管治療後に痛みが出る主な原因
根管治療後は、もとは歯髄(歯の神経)があったところに
1.治療による一時的な炎症
先述の通り、根管治療という形で歯の根の周囲に刺激が加わることで、一時的に炎症が強く起こったり、痛みや違和感が出る場合があります。
特に「噛むと痛い」「歯が浮いたような感じがする」という症状は、治療後に見られることがあります。この場合の痛みは時間の経過とともに徐々に改善していくことが一般的です。
2.もともとの炎症が強かった
根管治療が必要になる歯では、すでに歯の根の先に炎症(根尖性歯周炎といいます)が起こっていることがほとんどです。
レントゲン写真を撮影すると歯の根の先を覆うような黒い陰影像がみられるくらいの強い炎症がある状態から治療を始めた場合、根管内をきれいにした後も、周囲の組織がすぐさま正常な状態へ戻るとは限りません。そのため、治療後もしばらく痛みや違和感が続くことがありますので、仮の歯や詰め物をして経過を見ることがあります。
3.噛み合わせが高くなっている
根管治療の途中では、症状の経過を見るために歯に仮の詰め物や仮歯を入れることがあります。
これらがほんのわずかに高く、噛み合わせたときに治療した歯に強く噛み込む力がかかると、痛みや違和感が出ることがあります。
「何もしていないときはそれほど痛くないけれど、噛むと強く痛む」という場合には、噛み合わせの状態を確認し、必要に応じて噛み合わせを調整します。
4.根管内に細菌が残っている
根管は細く複雑な形状をしているため、すべての部分を完全に清掃することが難しいケースがあります。根管内に細菌が残っていたすると、炎症による痛みが生じることがあります。
根管治療では、根管の中を器具を用いて切削研磨して汚れを取る機械的清掃と、専用の洗浄剤を根管内に流し込む化学的清掃の2つの方法を併用していくのですが、物理的アプローチ(機械的清掃)が困難な根管の形の場合は洗浄剤でしっかりと化学的清掃を実施することが重要です。
痛みがなかなか改善しない場合には、レントゲンなどの画像検査を行い、根の周囲の状態を確認したうえで、再根管治療を選択することがあります。
5.根の先まで十分に治療できていない
根管の形状には個人差があり、非常に細い根管(狭窄根管)や複雑に分岐している根管などもあります。そのため、根管の先端まで十分に処置できず歯の中に未処置の歯髄が残って炎症を起こしてしまうことがあります。これを残髄炎といいます。
患者自身の訴える症状だけでは原因を特定できないため、必要に応じてレントゲン撮影やCT撮影などによる精密な画像検査などを行い、歯の治療状態を総合的に確認し、必要に応じて再根管治療を実施します。
6.歯にヒビや破折がある
根管治療を行った歯では、通常の健全歯よりも割れやすい特徴があり、さらにその歯自体の強度や残っている歯質の量が少なく物理的耐久性に難があると、歯根破折や歯のヒビが問題になることがあります。
特に、「噛んだときに特定の場所だけ強く痛む」「噛んだものを離すときに痛むことがある」といった症状が続く場合には、歯のヒビや破折が関係している可能性もあります。
この場合は、根管だけでなく歯そのものの状態を確認する必要があります。
上記の1.~3.であれば経過観察や調整を行うことで症状が寛解、消退していくのですが、4.~6.の場合は再度根管治療を行ったり、違う治療方針を立て直す必要があります。
根管治療後、どのような症状なら注意が必要?
治療後の軽い痛みや違和感が、時間の経過とともに少しずつ改善しているのであれば、治療後の反応として経過を見ることがあります。
一方で、次のような症状がある場合は、治療を受けた歯科医院へ相談しましょう。
・ 痛みが時間とともにむしろ強くなっている
・ 何もしなくてもズキズキ痛む
・ 痛みに加えて根管治療をした歯の周囲の歯ぐきが腫れてきたり、膿が出る
・ 顔(頬部)が腫れて拍動性の痛みがあったり、熱感がある
・ 痛み止めを飲んでもあまり痛みが引かない
特に、顔の腫れや発熱などを伴う場合には、炎症や感染が強くなっている可能性があるため、早めの受診が大切です。
根管治療後に痛みがあるときの過ごし方
治療後に痛みがある場合、まず歯科医師から処方されたお薬があれば、用法・用量を守って正しく服用しましょう。また、痛みがある歯で硬いものを強く噛んだり、あえて痛ませるようなことは避けて過ごすことが大切です。「痛くないから大丈夫」と考えて強く噛んでしまうと、歯に負担がかかる可能性があります。
根管治療完了後でもしばらくは痛みや違和感があるときはそれらが生じないように過ごすのが良いでしょう。
まとめ
根管治療後に痛みが出ること自体は、必ずしも異常とは限りません。治療による一時的な炎症や、治療前から存在していた炎症などが原因となって、一定期間痛みや違和感が続くことがあります。
一方で痛みが長引いたり、徐々に痛みが強くなってきたり、腫れや膿などを伴ったりする場合には、根の周囲に炎症が残っている、細菌感染が続いている、噛み合わせなどが関係している可能性があります。
根管治療は、歯を抜かずに保存ができる重要な治療の一つです。治療後も歯をできるだけ長く使っていくためには、症状の変化を確認しながら、必要に応じて歯科医院で定期検診を通して経過を確認することが大切です。
「治療した歯がまだ痛い」「様子を見ていた痛みが徐々に強くなってきた」など、気になる症状がある場合には、自己判断せず歯科医院へ相談しましょう。
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