目立たない矯正ってどういうものがあるの?
投稿日:2025年12月15日
カテゴリ:スタッフブログ
矯正治療を検討する際、真っ先に考慮するポイントが「見た目」である方は少なくはないでしょう。噛み合わせや歯並びを整えたい気持ちはあっても、装置が目立つことに抵抗を感じ、治療をためらってしまう、という話もよく聞きます。とくに社会人や接客業の方にとっては、治療中の見た目は大きなハードルになります。
今回は“目立ちにくい矯正装置”についてお話しようと思います。技術の進歩により、従来よりもさらに審美性が高く、日常生活に溶け込みやすい装置が増えてきました。本記事では、代表的な装置の特徴と、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく紹介します。
1. 透明・白色のブラケット(審美ブラケット)装置とホワイトワイヤー
かつてもっとも一般的な“目立ちにくい”矯正装置として知られていたのが、歯の色に似た色のセラミックまたは樹脂製のブラケットと白色のワイヤーの組み合わせです。
【特徴】
・金属の代わりに透明または白色の素材を使用
・ワイヤーも白色コーティングのものを併用でき、より目立ちにくい
【利点】
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・目立ちにくく、会話時も気づかれにくい
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・基本的な歯の動きは金属ブラケットと同等で、幅広いケースに対応
【欠点】
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・金属ブラケットに比べてやや費用が高い
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・樹脂製の場合は、長期間使用で着色が出ることがある
- ・ブラケット装置のワイヤー固定部(スロット)が破損しやすい
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・白色ワイヤーはコーティングが剥がれやすく、長期間の使用には不向き
2. マウスピース矯正(インビザライン等)
昨今もっとも知られている「目立たない矯正」の代名詞的存在といえるでしょう。透明なマウスピースを使用する矯正は、近年人気が急増している治療法の一つです。

【特徴】
・ほぼ透明のマウスピースを使用
・食事や歯磨きの際に取り外しが可能
・治療計画をPC上でシミュレーションできるものも多い
【利点】
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・装着していてもほとんど気づかれない高い審美性
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・取り外しできるため、食事制限が少なく、口腔清掃がしやすい
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・金属アレルギーのリスクがゼロ
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・痛みが比較的少ない
【欠点】
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・自己管理が必要で、指定された装着時間が守れていないと治療効果が落ちたり、想定されない結果を招くリスクがある
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・対応できない症例がある(大規模な歯の移動、噛み合わせの複雑なケースなど)
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・紛失に気をつける必要がある
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・人によっては話しづらく感じることがある
審美性は群を抜いており、「どうしても目立ちたくない」という方に適した選択肢です。
3. 裏側矯正(リンガル矯正)
歯の裏側(舌側)に装置をつけることで、目立たない位置に装置を装着する方法です。

【特徴】
・舌側にブラケットとワイヤーを装着
・外側からはほぼ見えない
【利点】
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・表側には何も装着しない点では全矯正装置の中でトップクラスの審美性
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・ワイヤーを用いるので審美性を保ちつつ歯にしっかり移動させる力を与えることができる
【欠点】
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・費用が高い(矯正装置の中でも最も高額になりやすい)
- ・実施している歯科医院が少ない
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・舌に触れる部分があり、最初は発音しにくかったり、違和感が強かったりする
- ・清掃が難しい
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・調整やメンテナンスに時間がかかる
- ・対応する症例が限られる
完全に“見えない矯正”を希望する方には最も有効ですが、それに伴う費用と違和感の対策が必要です。
4. どの装置を選ぶべき?
こういった矯正装置を選ぶ際には、①自身の歯並びを改善するのに最適な方法か、②治療期間への影響、③費用、④現状のセルフケアで管理可能であるか、⑤現在の職業や生活スタイルへの影響が許容できる範囲であるか、などの要因をしっかり客観的におさえ、自分はどれを第一に考えるかを熟考する必要があります。
たとえば、目立たなさを最優先するなら裏側矯正やマウスピース矯正ですが、適応可能範囲の広さやコスト面を重視するなら審美ブラケットが最適…といったように、要因をすべていいとこ取りは出来ないので取捨選択する必要があります。
まとめ
目立ちにくい矯正装置には、複数の選択肢があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、「どれが最適か」は歯並びや生活スタイルによって大きく変わります。
大切なのは、“見た目の安心感” と 自身が求める“治療効果” の両方を満たす方法を選ぶことです。
いずれにおいても矯正治療は長期間にわたるため、納得して選ぶことが結果として満足度の高い治療につながります。気になる装置があれば、ぜひ一度専門の歯科医師に相談してみるのが良いでしょう。
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