矯正治療中の虫歯を防ぐにはどうすればいいの?|銀座6丁目のぶデジタル歯科

マウスピース矯正

東京都中央区銀座6-9-6-8階【銀座駅1分/東京駅6分】

お問い合わせ・ご相談

銀座駅A2出口1分 GINZASIX前の歯科医院

03-3572-4618

※当院は自由診療専門の歯科医院になります

矯正治療中の虫歯を防ぐにはどうすればいいの?

投稿日:2025年11月4日

カテゴリ:スタッフブログ

歯並びを整える矯正治療は、見た目だけでなく噛み合わせも含めた口腔機能を改善する大切な治療です。
しかし、その一方で「矯正中に虫歯ができやすくなる」というリスクがあるのも事実です。せっかく長い時間をかけて歯をきれいに並べても、虫歯で歯を削ることになってはもったいないです。

今回は、矯正治療中に虫歯ができやすい理由と、日常生活でできる具体的な予防ポイントについて詳しく解説します。


矯正治療中はなぜ虫歯になりやすい?

1. ワイヤーやブラケット、アタッチメントが歯みがきを難しくする

ワイヤー矯正では、ブラケット(歯の表面に接着する装置)やワイヤーが歯の表面に装着されるため、歯ブラシの毛先が届きにくい部分が多くなります。食べかすやプラーク(歯垢)が引っかかりやすく、特にブラケットの周りや歯と歯の境目は汚れが溜まりやすいポイントになります。

またマウスピース矯正では、歯の移動を確実にするために「アタッチメント」と呼ばれるプラスチックを接着するケースがほとんどです。そのアタッチメントと歯の接着面付近は粗造になりがちで色素沈着や食べかすが引っかかったり汚れが溜まりやすくなります。

いずれの場合であっても、汚れが溜まりやすく清掃しにくい環境によってプラーク内の細菌が酸を出し、歯の表面のエナメル質を脱灰(=溶か)して虫歯のリスクを高めるわけです。


2. 食事内容の変化

矯正治療中は硬いものや粘着性のある食品を避ける傾向がありますが、その代わりにやわらかくて歯に残りやすい食品(パン、麺類、甘い飲み物などの炭水化物や糖分中心の食品)を摂取する機会が増えてしまいます。
こうした食品は歯の表面に残りやすい性質があるので、虫歯の原因となってしまいます。


3. 清掃時間の不足

矯正装置が口の中にあると歯みがきが煩雑になる上、時間もかかるため「面倒でついサボってしまう」という人も少なくありません。
磨き残しがあると、それによってプラークが堆積します。そしてそれは24時間ほどで成熟し、虫歯の原因となるため、最低でも1日のうちどこかで必ず除去しないと虫歯のリスクを高めることになるのです。


矯正治療中の虫歯発生を防ぐためのポイント

1. タフトブラシを活用する

通常の歯ブラシだけでなく、タフトブラシ(先の細い部分ブラシ)を併用するのが効果的です。ワイヤーの下やブラケットの周囲は、タフトブラシであれば汚れを除去できます。

また電動歯ブラシや超音波歯ブラシをお持ちであれば、それらも非常に有効です。通常の歯ブラシと歯への当て方は異なりますので、担当の先生または歯科衛生士の指導や指示を仰ぐのが良いでしょう。当院では、音波水流が生まれることで毛先が直接触れなくてもある程度汚れを落とすとができる超音波歯ブラシの使用をおすすめしています。

どんなブラッシングであっても、基本は「力を入れすぎず、小刻みに」。
パームグリップ(掌で握る持ち方)では腕を使ったゴシゴシと荒く大きなストロークになるので、細やかな隙間の汚れを取ることが出来ません。なので、鉛筆を持つように歯ブラシを持ち、指や手首を用いて毛先を細かく動かすことで隅々まで効率的に汚れを落とすことができます。


2. 歯間ブラシ・フロスも欠かさない

ワイヤー矯正中でも、歯間ブラシであれば歯と歯の間の汚れを取り除くことができます。また、マウスピース矯正の方は、装置を取り外せる利点を生かして、毎食後にフロス(糸ようじ)で清掃するのがおすすめです。

矯正治療中は歯の移動に伴い歯と歯の間に隙間が生じますので、食べかすが引っかかりやすいだけでなく、普段汚れがつかない部分にも汚れがつきやすい環境になります。そのため、歯間清掃を怠ると、見えない部分から虫歯や歯肉炎が進行してしまうため、歯ブラシ+歯間清掃のセットを習慣にしましょう。そしてその習慣は矯正治療が終わったあとも口腔内環境を良好に保つ一助となるはずです。


3. フッ素を上手に取り入れる

虫歯予防に欠かせないのがフッ素です。
フッ素には、

といったはたらきがあります。

矯正治療中は、フッ素入り歯みがき粉や洗口剤を使うことが効果的です。
しかし過信は禁物です。フッ素は万能ではなく、口腔内の適切なブラッシングが行えていることが大前提です。あくまで歯ブラシによる機械的清掃でしか汚れは取れませんので注意が必要です。


4. 食事後はできるだけ早く歯を磨く

食後すぐに歯を磨くことで、酸の作用が強まる前にプラークを除去できます。
外出先で歯みがきが難しい場合は、せめて水で口をゆすいだりうがいをすると良いでしょう。


5. 定期的なプロフェッショナルケアを受ける

矯正治療中は、自分では取り切れない汚れがどうしても溜まります。特にワイヤー矯正は食べかすが引っかかりやすく口臭の原因にもなりやすいです。
そのため、歯科医院で矯正治療のチェックだけでなく定期的なクリーニング(スケーリングやPMTCなど)やフッ素塗布も受けておくことで、虫歯のリスクを大幅に下げることができます。


6. マウスピース矯正の落とし穴

マウスピース矯正(インビザラインなど)は取り外しができるため清掃性が良いので虫歯のリスクは低いとされがちですが、どのマウスピース矯正であっても歯を覆うような装置である以上、歯の表面が唾液の自浄作用で汚れが落とされることがありません。つまり、磨きのこしがあるとそれだけで、虫歯リスクが高まることもあります。
そのため、食後は必ずしっかり歯を磨いてからマウスピースを再装着することと、外した際などにマウスピースも洗浄し、清潔に保つことが大切です。


まとめ

矯正治療は見た目を整えるだけでなく、歯の健康を長く保つための治療です。
しかし、矯正装置をつけている間は虫歯リスクが高くなるため、毎日のケアが成功の鍵となります。

タフトブラシや電動歯ブラシ、フッ素の活用や定期的な歯科医院でのクリーニングを組み合わせることで、虫歯をしっかり予防しながら矯正を進めるようにしましょう。

「理想的な歯並び・噛み合わせ」と「健康な歯」を両立させるために、日々のケアを習慣化していきましょう。

トップへ戻る