ワイヤー矯正の特徴は?それに必要な費用・コストはいくらくらい?
投稿日:2025年5月9日
カテゴリ:歯と全身の健康
歯並びや噛み合わせの悩みを解消するために、矯正治療を検討する方は多いでしょう。中でも「ワイヤー矯正」は前回もお話した通り長年にわたる治療実績に裏打ちされた信頼性が高いポピュラーな治療の一つといえるでしょう。
従来の手法のひとつとして、ストレートワイヤーテクニックというものが一般的ですが、それとは別のアプローチとしてGEAW(ギア)ワイヤーテクニックというワイヤー矯正治療も存在します。今回は、従来のワイヤー矯正とGEAWワイヤー矯正を比較し、それぞれの費用、メリット・デメリットを分かりやすくご紹介したいと思います。
1. 従来のワイヤー矯正とは?
従来のワイヤー矯正は、ブラケット装置と呼ばれる小さな金属やセラミック製の装置を歯に接着剤で取り付け、ワイヤーで力をかけて歯を動かす方法です。もっとも一般的な矯正方法であり、症例数が多いため信頼性があります。
費用の相場(日本国内の場合)
ワイヤー矯正の相場は、マウスピース矯正がメジャーになるにつれて二極化しているようで、各医院ごとに設定する料金のふれ幅が大きいです。
- ・全体矯正(上下の歯列):70万円〜120万円
- ・部分矯正(前歯など一部のみ):20万円〜50万円
- ・調整費(毎月):3,000円〜5,000円程度
- ・保定装置(リテーナー)費用:2万円〜5万円
メリット
- ・幅広い症例に対応(重度の不正咬合にも対応可能)
- ・確実でコントロールしやすい治療法
- ・ほとんどの矯正歯科医が対応可能
デメリット
- ・見た目が悪く、審美面に劣る(特に金属ブラケットの場合)
- ・歯の表面に装置があるため、口腔内の違和感が強い
- ・歯に対して力を強く与えるので痛みが出やすい
- ・食事制限や清掃の難しさがある
- ・治療期間が年単位でかかり、2〜3年になることが多いのでモチベーションの維持が難しい
2. GEAWワイヤー矯正とは?
GEAW(Gummetal Edgewise Arch Wire)矯正は、従来のワイヤー矯正とはコンセプトが異なるワイヤー矯正方法です。ワイヤーには形状記憶合金を使用し、効率よく歯を動かすことを目指した治療法です。
費用の相場(日本国内の場合)
- ・全体矯正(上下の歯列):80万円〜130万円
- ・調整費(毎月):5,000円〜7,000円程度
- ・保定装置費用:3万円〜5万円
※ GEAWワイヤー矯正は基本に全顎的な矯正治療を前提としています。
メリット
- ・弱い力で歯を動かすため、従来のワイヤー矯正と比べたときに痛みが少ないとされている
- ・一つ一つの歯に様々な指向性をもたせた力を与えることができる
- ・顎や筋肉のバランスを考慮した全顎的な矯正治療が可能(顎位の誘導や口元のバランス改善なども含む)
デメリット
- ・広まっていない治療法のため、施術できる歯科医が少ない
- ・顎間ゴムなど、患者自身で器具の着脱をおこなう習慣付けが必要になる
- ・従来のワイヤー矯正より費用がやや高めになる傾向がある
3. 費用の比較まとめ(平均値)
項目 | 従来ワイヤー矯正 | GEAWワイヤー矯正 |
---|---|---|
全体矯正費用 | 約90万円 | 約100万円 |
部分矯正費用 | 約35万円 | 約45万円 |
月々の調整費 | 約4,000円 | 約6,000円 |
保定装置費用 | 約3万円 | 約4万円 |
4. どちらを選ぶべきか?
こんな方には従来のワイヤー矯正が向いています
- ・歯列不正をおもに治したい場合
- ・実績と症例数の多い治療法を希望する場合
こんな方にはGEAW矯正が向いています
- ・できるだけ歯や歯茎に負担をかけずに治療したい場合
- ・痛みや不快感を少しでも軽減したい場合
- ・顎の位置や筋肉バランスを考慮した噛み合わせの治療を希望する場合
5. 最後に
矯正治療は費用だけでなく、治療期間や日常生活への影響なども重要な判断材料となります。従来のワイヤー矯正もGEAW矯正も、それぞれの長所がありますので、自分の目的やライフスタイルに合った方法を選ぶことが大切です。
まずは信頼できる矯正専門医に相談し、精密検査を受けた上で、自分に合ったプランを立ててみてください。
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