矯正中の痛みや違和感を減らす方法ってあるの?
投稿日:2025年10月3日
カテゴリ:スタッフブログ
歯列矯正は、美しい歯並びや正しい理想的な噛み合わせを得るための治療です。しかし、どの矯正治療であってもその過程で「痛み」や「違和感」を避けて通ることはできません。装置をつけて間もない頃や調整を行った直後に、「歯が浮いたように感じる」「食事のとき噛むと痛い」「装置が口の中に当たって違和感がある」といった不快感を覚える方は多いでしょう。
今回は、矯正治療中に生じる痛みや違和感の原因と、それをできるだけ軽減する方法について整理してみます。
なぜ矯正中に痛みや違和感が生じるのか?
一般的な矯正治療においては、歯や骨を固定源にして一定の力を移動対象の歯に加えて少しずつ移動させます。この「力」がかかることで歯根の周囲の組織に刺激が生じ、炎症反応や圧迫感が出ます。これが「歯が痛い」「押されるような感覚」の正体です。
また、従来の歯に装着する「ブラケット」やそれに取り付ける「ワイヤー」といった装置が粘膜にこすれて、口内炎が頻発します。
もちろんマウスピース矯正であっても、装着直後には締め付けられるような違和感を感じやすいようです。また、マウスピース矯正のシステムによっては「アタッチメント」と呼ばれるプラスチック製の凸を歯に接着することがあり。それが粘膜を傷つけることがあります。
このように、矯正中の痛みや違和感は「歯が動いている証拠」でもありますが、工夫次第である程度軽減することが可能です。
痛みや違和感を減らす方法
1. 食事の工夫
矯正治療開始直後や調整後は、歯が特に力が加わっている状態なので敏感になっています。この時期は無理に硬いものを食べず、柔らかい食材を中心にすることが大切です。
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・おかゆ、スープ、ヨーグルトやプリン、ゼリーなど咀嚼をほぼ要しないもの
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・柔らかく煮込んだ野菜や肉、うどんなど上顎に押し付けたら潰せるもの
逆に、せんべい、ナッツ、氷などの硬い食品や、キャラメル、ガムのように粘着性の強い食品は避けましょう。食事の工夫だけでも、痛みや違和感はぐっと軽くなります。
2. 装置による口内炎への対策
ブラケットやワイヤーが頬や唇に当たって口内炎になって痛む場合、「矯正用ワックス(ロウ)」を使うと効果的です。例えばブラケット装置が痛むのであればその装置を覆うようにワックスを押し付けて貼り付けるのです。それにより角張った装置が円滑になり、口内炎の予防になります。
また、口内炎ができてしまった場合、先述のように原因対策をした上で、保湿をして、可能ならばビタミンB群のサプリメントといった栄養的側面からアプローチすると治りが早くなります。
3. 痛み止めの活用
どうしても矯正で歯が動かされる痛みが強くてキツいときは、無理せず消炎鎮痛剤を使用しましょう。ただし、薬に頼りすぎるのではなく、あくまで「一時的な補助」として使用し、痛いことを担当医に伝え、必要に応じて急患受診して再調整をしてもらうよう心がけましょう。
4. 歯や顎をいたわる習慣
矯正中はやむを得ないとはいえ噛み合わせが大なり小なり変化してしまいます。意外にもそれは歯や顎の関節に普段以上の負担をかけることになります。以下の点に気をつけましょう。
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・歯ぎしり食いしばりの頻度が増悪するので、顎の筋肉のマッサージなどで過負荷をケアする
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・ガムなどを長時間咀嚼する習慣を控える
5. マウスピース矯正ならではの工夫
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正に比べて痛みが軽いとされますが、それでも新しいマウスピースに交換した直後は締め付け感が出やすいです。
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・装着した直後は、柔らかい食事を心がけましょう
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・装着時間をしっかり守ることで歯の移動がしっかり行われるので歯が慣れやすくなります
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・「チューイー」と呼ばれる専用のシリコン製の矯正補助器具を噛むことでフィット感が向上し、違和感が軽減します
6. 心理的な工夫も大切
「ある程度の痛みや不快感は矯正では普通で歯が動いている証拠」と理解・解釈することも、気持ちの面での負担を減らすコツです。矯正治療は短いと半年、長いと5年といずれにしても長期間にわたるため、不安やストレスが強いと痛みを余計に感じやすくなります。担当歯科医師やスタッフに相談し、自身が許容できる範囲での痛みや不快感を理解して、安心感を得ながら治療を進めることも重要です。
まとめ:小さな工夫で矯正生活は快適になる
矯正治療中の痛みや違和感は基本的に避けられないものですが、工夫次第で大きく軽減できます。
矯正治療はゴールまでにトラブルも多く時間がかかるものです。しかし途中の不快感を少しでも和らげれば、モチベーションの低下を低減でき、日常生活の質もさほど下がることなく維持できます。
矯正生活を送りながら、美しい歯並びや噛み合わせを獲得する最終目標に向かって進んでいきましょう。
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