外科的歯内 療法-歯根端切除(逆根管治療)の症例
外科的歯内 療法-歯根端切除(逆根管治療)
※本動画と以下症例は同一ではありません。
※本動画と以下症例は同一ではありません。
外科的歯内療法ー歯根端切除(逆根管治療)
通常の根の治療は根管治療と言い、歯の上の被せ物の方向から行います。その根管治療のみでは病変が治らなかった場合に基本的に適応になります。
「外科的」というのは出血を伴う処置という意味で、この方法には1)歯根端切除(逆根管治療)と2)意図的再植があります。
歯根端切除は局所麻酔し歯茎を切って根の先端数ミリを切断し、更に根管を逆方向(根の先の方向)から綺麗にして材料を詰め直す方法です。
歯根端切除は上記の様に根管治療とは逆方向から根の中を清掃するため、近年では逆根管治療とも呼ばれます。
また、近年行われる成功率の高い歯根端切除は上記のように根の先を切断するのみならず、根管の先端から根管を逆方向から清掃していき詰め直す観点からも歯根端切除というよりも逆根管治療と呼ぶ方が適切と思われます。(説明ではイメージが付きやすいようにあえて歯根端切除の用語を使用します)。
筆者は根管治療と歯根端切除は1セットであると考えています。理由は根管治療では幾つかの要因により根管内、特に根の先のバイ菌や汚れである感染源を除去しきれない場合があり、その時に根の先のみを選択的に清掃できる歯根端切除が適応になるためです。基本としては根管治療を行い予後観察し、それでも治癒が見込めない場合は歯根端切除を行なうというのがセオリーです。
例外として、被せものを外したくないなどの理由により根管治療をスキップして行なう場合もありますが、数年経ってから再発するリスクがあります。その理由は歯根端切除は根の先端数ミリしか清掃を出来ないということです。もし、歯の上の部分が汚れているようであれば歯根端切除のみを行っても一度は治癒する可能性が高いですが、上の部分のバイ菌が数年経ちまた根管内で増殖し根の先で毒素を出せば再発が生じてしまいます。ですので順番としては根管治療→歯根端切除が定石となるわけです。
症例 1
70代女性。主治医より専門医に診てもらったほうが良いと言われた。根管治療を行い予後観察を行うも治癒が得られなかった。そのため歯根端切除を行い治癒が確認された(右下5)。
年齢・性別 | 70代 女性 |
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治療内容 | 歯根端切除前に根管治療を行うも治癒が得られなかったため、歯茎を切開し歯根端切除を行い逆根管形成、MTAで逆根管充填を行い縫合した。本症例では術前の骨の破壊が大きかったため、骨削を行う必要はなかった。 歯根を観察した際に歯石様の物質は確認されたため、根尖孔外感染が疑われた。 術後半年の予後観察で治癒の傾向が認められ、術後3年で完全治癒した。 |
治療期間・回数 (※予後観察は含まず) |
診査・診断・コンサルテーション 1回 処置 1回(計2回) |
費用(税込) ※自由診療です |
歯根端切除132,000円 ※術前にDr.寺岡が根管治療をした場合の金額。根管治療を行わず、外科的歯内療法のみを行う場合は正規の金額(264,000円)となる。 (診査・診断・コンサルテーション・処置、破折片除去代、MTA代を含む) CT撮影代11,000円(1回) |
リスク | 出血、腫脹、疼痛、局所麻酔中毒、穿孔、根尖性歯周炎、迷走神経反射、下歯槽神経麻痺、上顎洞炎、器具破折、破折片の根尖孔外への押し出し、顎関節症、非歯原性疼痛等 |
症例 2
50代男性。主治医より専門医に診てもらったほうが良いと言われ た。根管治療を提案するも被せ物の除去に関して難色を示したた め、歯根端切除を行った(左下1, 3)。
年齢・性別 | 50代 男性 |
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治療内容 | 通常は根管治療からのやり直しがベストであるが、患者はブリッジの除去難色を示したため歯根端切除を行った。歯茎を切開し骨削、歯根端切除を行い逆根管形成、BCシーラー・パテで逆根管充填を行い縫合した。 術後半年の予後観察で治癒の傾向が認められた。 |
治療期間・回数 (※予後観察は含まず) |
診査・診断・コンサルテーション 1回 処置 1回(計2回) |
費用(税込) ※自由診療です |
歯根端切除(1本あたり)264,000円 (診査・診断・コンサルテーション・処置、破折片除去代、MTA代を含む) CT撮影代11,000円(1回) |
リスク | 出血、腫脹、疼痛、局所麻酔中毒、穿孔、根尖性歯周炎、迷走神経反射、下歯槽神経麻痺、上顎洞炎、器具破折、破折片の根尖孔外への押し出し、顎関節症、非歯原性疼痛等 |